引っ越しシーズンの3~4月。
この春に引っ越しを予定している人も多いのではないでしょうか。
そんな時に迷いがちなのが引っ越し業者の選定。
筆者も引っ越しを控え、どこの業者にお願いしようか悩んでいたところ「クロネコヤマト」の引っ越しサービスが休止しているのを公式HPで知りました。
単身向けサービスは行っているようですが家族向けの方は完全に休止している様です。
「詳しくはコチラ」と言うリンクがありましたが、リンク先からはエラーが返ってきます。
一体なぜ休止しているのか。調べてみました。
代金を過大請求していた
著作者:rawpixel.com</a>/出典:Freepik
調べてみると2018年に「ヤマトホールディングス」の子会社である「ヤマトホームコンビニエンス」が企業向けのサービスにて料金を過大請求していたようです。
この過大請求が問題となり、国土交通省の行政処分などを受けて引っ越しサービスを休止したようです。
なるほど、過去に大きな不祥事があったんですね。
過大請求の内容は、見積額を上乗せした計3億円弱の請求があったことが発覚。
さらに一部支店では組織ぐるみで水増しが行われていたようです。
出典元:https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_service20180823j-06-w320
ヤマトホールディングス(HD)は31日、子会社のヤマトホームコンビニエンス(東京)による法人向け引っ越し代金の過大請求問題で、調査委員会による報告書を公表した。「悪意」を持った水増しが確認され、一部で組織ぐるみの関与もあった。再発防止に向けて、個人向けを含む全ての引っ越しサービスの新規受注を休止する。
ヤマトHDの山内雅喜社長はこの日、東京都内で記者会見し「全てのお客さま、関係者の信頼を裏切り、ご心配とご迷惑をお掛けしたことを深くおわびする」と謝罪した。
報告書では、過大請求額約17億円のうち繁忙期の受注回避や採算性を上げるなどの動機で意図的に水増ししたケースが約16%になると推測。原因に関しては、商品設計や内部監査、会社の組織体制の不備を指摘し、社員のコンプライアンス意識の欠如を批判した。
ヤマトHDは、歴代の子会社社長らを降格や減俸処分とし、木川真会長や山内氏ら幹部5人は役員報酬を自主返上するとしている。
参照元:https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_service20180823j-06-w320
当時のニュースサイトによると2018年8月から引っ越しサービス自体を休止している状態でした。
2019年は引っ越し難民が多かった
出典元:https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-2997/
引っ越しシーズンが来る2019年春。当時問題となったのが「引っ越し難民」の増加だったようです。
引っ越しとなると一般的に利用するのが引っ越し業者。
ヤマトもその一角を担う主要な企業なだけあって影響は大きかったようです。
当時、国交省が利用者に引っ越し時期を分散するように呼びかけを行うほど。
もう3月は一杯みたいですね。 / 「引っ越し難民」増加か ヤマト子会社引き受け停止や人手不足で (毎日新聞) #NewsPicks https://t.co/sWcfnp06ku
— 不動産業サラリーマン投資家 (@smartsalaryman) February 2, 2019
もう数日で引っ越しだけどだいぶやばそうな雰囲気は感じた。まず高いし、引き受けない会社も出てきている。2月上旬なのに。
「引っ越し難民」増加か ヤマト子会社引き受け停止や人手不足で(毎日新聞) – Y!ニュース https://t.co/Wt6cXYu9zb
— ラジリス (@radilis1) February 2, 2019
うちも1月初旬の時点で3月末の引越し見積もりを問い合わせしたら、その時期は企業が抑えてしまってるからそもそも受付が難しいと言われた。他も60万とか。
「引っ越し難民」増加か ヤマト子会社引き受け停止や人手不足で(毎日新聞) – Yahoo!ニュース https://t.co/C5vNaMqMqU @YahooNewsTopics
— plumeria (@prmrsg) February 2, 2019
当時のTwitterでのつぶやきを調べてみましたが、やはり影響はある程度あったようです。
企業の転勤、新しい学校への進学どれも時期が同じと言うか4月1日付けがほとんどですよね。
業界の人手不足もあり引っ越しの依頼自体ができないケースも多かったようです。
単身向けサービスは再開
出典元:https://www.008008.jp/moving/
そんなヤマトですが2019年9月頃に単身者向けサービスの再開をしました。
(ただし、2023年3月時点では家族向けのサービスは休止のままとなっているのでご注意下さい。)
なぜ単身者向けサービスのみ再開されたのでしょうか。
おそらく、業界の人手不足が主な理由かと思われます。
引っ越しサービスを提供している企業で単身向けサービスを展開しているのは大手の企業がメインです。
元々繁忙期には料金が見合わないという理由から単身の引っ越しを請け負うことができない企業が多く、単身向けサービスを展開しているヤマトは貴重な存在となっていました。
引っ越し業務を行う会社もどんどん新しくできるものでもない為、早期再開が実現されたのではないかと思います。
今後クロネコヤマトはどうなる?
出典元:https://www.the0123.com/company/
不祥事から中々立て直しの図れないクロネコヤマトですが、今後復活の見込みはあるのでしょうか。
2022年1月、「ヤマトホールディングス」は「ヤマトホームコンビニエンス」の株式51%を「アートコーポレーション」に売却することを発表しました。
この時点で営業利益は56億円の赤字。3年連続の赤字だったようです。
近い将来、ヤマトの引っ越し部門がなくなる日が来るかもしれません。
まとめ
・引越サービスの休止は不祥事が原因だった。
・サービス休止に伴い2019年は「引っ越し難民」が多かった。
・単身向けサービスは2019年に再開。
・2022年に「ヤマトホームコンビニエンス」の株式51%を「アートコーポレーション」に売却
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